民家日記 半径3メートル以内

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2015年6月
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2015/06/30

尼寺の古民家7 蔵



尼寺の古民家には、蔵がある。



蔵があるなんて贅沢な話なのだが
実は最もダメージが大きく
計画時から、「どうするか」が問題であった。

屋根も破損し、壁の土壁も一部が崩れ落ちている。
荷物が満載の時には分かりにくかったが
傾いている。

解体するにも費用がかかるし
「解体」という結論にも無力感を感じる。


活かしてこその民家計画。
解体は回避されたが
施工部隊は、現在、大きな試練に立ち向かっている。

半数の柱下が腐り、17センチ全体に傾いていた。
この17センチをジャッキアップする。
屋根瓦は土と共に下ろしたが
壁にべったりと土が張り付いているので重たいのだ。

皆の努力が
この築100年の建物に新たな時間を与えることになる。

いい仕事をしている。


                             勘兵衛



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2015/06/15

ときわ台の平屋 10 

前にも述べたが
この計画では駐車場が無かったので
建物を減築して確保している。

この建物が建てられた時代、約50年前は
駐車場の確保よりも庭の優先順位が高かったようだ。
我が国の乗用車の保有台数が1966年は229万台
2014年には6000万台というから
そりゃ、そうだ。

この住宅街が開発された1967年頃の
きっとプロトタイプのようなプランだったんだろう。

平屋建ての建物床面積からしても庭スペースの割合は大きい。
そのお陰で樹木は立派な梅の木を中心にそのまま使うことができたし
庭石も沢山あったので、再構成することで見せ場を作ることができた。

そして今回
現在同時進行中の「尼寺の古民家」とのトレード、
ときわ台の踏み石を尼寺で使い
尼寺の大正時代に焼かれた古い瓦をときわ台で使うことになった。

なんて贅沢な話だろう。


という訳で、瓦で遊ぶ。

どんな庭になるか、乞うご期待!

                               勘兵衛

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2015/06/06

ときわ台の平屋 9

工事は大詰め。
仕上げ段階に差し掛かっている。

施主のガンバリもすばらしく
「左官壁にしたい」という強い思いが
カタチになりつつある。
手際の良さとコテさばきは
もう 「ちょっとした壁なら任せて!」
という自信を醸し出している。



そして庭の工事も始まった。
修繕工房55宮裏氏の協力を得て
まず、今ある樹木をどうして新しい木をどうするのか
イメージを共有していく。

植木の産地に出向き、求めている枝ぶりの木を探す。
答えはひとつではないから
ご縁や出会いの中で、少しづつカタチを変えながら
具体的になってくる。

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今ある樹木は出来る限り活かしていく。
剪定するだけでもまったく雰囲気が変わってしまうから面白い。
そして整えられた木々の元で
既存の石を再構成してあらたに見せ場を作っていく。
ここからが和泉屋勘兵衛、腕の見せ所である。

                             勘兵衛
2015/06/01

尼寺の古民家6 解体

先週から本格的な工事が始まった。

まずは解体から作業が行われるが
古民家があるような場所は
周辺道路の幅が狭く
またこの物件は隣家のスペースをお借りして
廃材を搬出しなければならないため
なかなか大変なのである。

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しかしその甲斐あって
取り除かれた後に出てくる風景は楽しい。

まるで遺跡のような上の写真は
基礎下の様子。

湿気の多い場所では
土がしっとりしておりカビ臭い。
もちろん土台や柱に虫食いや傷みが発生しやすくなる。

この現場はカラッとしており
そういうところは購入の際のチェックポイントでもある。

ただ柱が垂直に立っていることはほとんどなく
ある程度許容していかなければならない。

この建物では
建具がスムーズに開閉できない症状が出ていた。
調べてみると、柱の何本かが2センチ強沈下していることが判明。
これは何とか矯正したい、ということでジャッキアップが敢行された。
構造材が今のものとは違う太さなので重量が半端ではない。
それもie工房とその仲間たちの手によって無事完了した。

古民家の魅力のひとつは
何と言ってもこの図太い構造材。
解体で新たに日の目を見た梁たちのどれもが
立派で美しい。
彼らをさらに引き立てるのが
これからの私の仕事になる。

楽しみだ。
                                 勘兵衛

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